グループ演習課題1-10(10月2日)に関する担当教員からのコメント
公開: 2025-10-03 09:07:26
各グループに対するコメント:
- グループ1の発表では、初期値からの変化がわかるように記している。他のグループも真似をしてほしい。初期値の重要性はこの実習の第7回で扱う予定である。
- グループ1では、「最大まで生育させたい」「枯らしたい」という成長の結果を想定して、それに向かって条件を設定している。一方グループ2では、「冬の太平洋側・日本海側」の気候条件を初めから想定して設定している。条件設定のやり方に違いがあることに注目してほしい。どちらのアプローチも興味深い。
- グループ3では、気温を一定として扱っている点に特徴がある。グループ2が自然状態の再現を目指しているのに対して、グループ3は実験的な手法に重きを置いていると言える。シンプルにパラメータ及びパラメータ値の効き目を純粋にみるのであれば、後者の方が統制がとれて考察しやすい。
- グループ4の特徴は、温度・降水量の組み合わせによる条件での実験を行い、その結果(温度の影響が大きい)にもとづいて、温度だけを変化させる実験を行なっていることにある。前者を予備実験と言い、後者が本実験である。科学の典型的な手法であるので、他のグループも参照してほしい。
- グループ5は意図的な条件設定をせず、複数のパターンを想定して素直にそれによって得られた結果を分析しているところに特徴がある。考察のなかで実験結果から制限要因(Limiting Factor)の存在を示唆していた点に注目してほしい。教科書的に制限要因を勉強することがあっても、自らの実験的操作によってその存在に気づくことは経験がないと想像するので、科学的な営みとして非常に重要である。
全体に対するコメント(総評):
- 各グループの条件設定の狙いや方法はそれぞれ異なっており、初回からグループの独自色が出ていた。
- 今回のコード(成長のルール)では、植物の成長に対して気温の影響が特に強くなっている。 反面、降水量は連続してFalseでない限り影響が弱くなっている。
- 表でまとめるグループや自然言語でまとめるグループ、シチュエーションを想定したグループや極端な感度実験を行ったグループなど、それぞれの特徴があった。
- シミュレーション研究を行っている立場としても納得のできる実験法を発表してくれて聞きごたえがあった。
- 1-10の課題に取り組んだあとに1-9以前にさかのぼると、午前中にわからなかったところもわかるようになっているだろう。
第1回グループ発表内容は授業用配付ディレクトリから参照できます。